『ゴールデンスランバー』(監督:中村義洋)

Photo 宅配ドライバーの青柳(堺 雅人)は、釣りに行く格好で仙台の街中を歩いている。道行く人たちは青柳のほうを振り返り、含み笑いを残して去ってゆく。

 信号待ちの交差点の向こうに大学時代の友人、森田(吉岡秀隆)を発見する。待ち合わせていた様子なのに、なぜか森田はスーツ姿だ。久しぶりに再会したと思われる二人は、そのまま路上に止めてあった森田の車に乗り込んで昔話に花を咲かせる。でも、二人の会話はどこか意味深だ。

 青柳はひょんなことからアイドル、凛香(貫地谷しほり)を助けたことがニュースとなり、いまや時の人になっていた。正義の味方として地元ではちょっとした有名人だ。だから街を歩く青柳は人から注目される。一方、森田は仙台の大学を卒業したあと、すぐに上京して結婚したものの、妻はパチンコ中毒。森田の知らない間にけっこうな借金をつくっていた。

 実は森田は、ある筋から友人の青柳を路上の車に誘い出し、しばらくとどめておけば、借金を帳消しにしてやるとそそのかされていたのだった。森田の額に汗がにじむ。そう、これは初めから仕組まれた罠だったのだ。
 
 その日はちょうど仙台出身の首相がオープンカーで凱旋パレードを行う予定になっていた。まもなく二人の乗った車のうしろで爆発音が鳴り響く。首相が何者かによって暗殺された。まもなく警察は不審車が暗殺現場の路上に長時間止まっているのを察知する。何もかもが出来過ぎている。。。

 こうして首相暗殺犯に仕立てあげられた青柳の逃走劇がはじまる。テレビは一斉に青柳が女性とラジコンヘリを操縦している映像を流しだす。首相暗殺の犯行に使われたラジコンヘリと同じものだという解説付きで。

 警察の包囲網をかいくぐるように逃げ続ける青柳。テレビは執拗に彼を犯人と決めつけた報道を繰り返す。さて、もしあなたが青柳の友人だったら、こんなときどんな態度をとりますか?

  止むにやまれず友人を売った森田のような奴もいる。でも、森田は最後の最後に真実を告げ、青柳を逃がそうとする。自分はある筋から消される運命だと知っていてだ。さらに逃走中の青柳を助けようと、カズ(劇団ひとり)、樋口(竹内結子)らかつての仲間たちが次々と動き出す。

 大学を卒業して、それぞれ別々の人生があって、いつしか大学時代の仲間とは関係が切れてゆく。世の中にそんな大人はたくさんいるでしょう。もちろんボクもそのうちのひとりであるわけで。仮にボクが青柳のような目に遭ったとしても、ボクを助けてくれる旧友なんているんだろうか、いや、まずいないだろうと思っています。

 この物語はファンタジーです。若き日の友情が永遠に続くというファンタジー。。。

 世間が犯人と決めつけ、警察さえも追っているかつての友人を、人は信頼しきれるものだろうか。逃走に手を貸せば自分だってヤバくなるのを知ってて、その友人を助けるなんてことが本当にできるだろうか。もしそんな友人が一人でもいたとしたら、あなたは幸せな人だとボクは思う。

 中村監督は脚本も書いているのだけれど、時間軸を縦横無尽につなぎ替えてファンタジーを紡ぎだす天才です。冒頭から、結末に向けての話の伏線を随所に張ってきます。たとえば冒頭のエレベーターでのシーン、映画の結末に深くかかわっているんです。これ以上はネタバレになりそうなので書きませんけどね。

 この映画のタイトルは、あのビートルズの名曲、「ゴールデンスランバー」からとっています。「黄金のまどろみ」という意味のこの曲は、ビートルズの解散寸前、バラバラになってしまった4人の心を、何とかしてこのバンドにつなぎとめたいという思いで、ポールが書いたものなのだとか。真偽のほどは知りませんが。

 あんなに仲の良かった4人でさえ、バンド解散の時はやってきた。。。

 青柳ら大学時代の4人の友人達は、はたしてどのような絆で結ばれていたのでしょう。嘘くさくなく、かといって現実ではありえない物語のなかで、すっかり断たれてしまったようでいて、実は今もちゃんと繋がっていた、かつての彼らの友情がよみがえります。

 『ゴールデンスランバー』は、青柳を取り巻く様々な登場人物に感情移入しながら最後まで飽きずに楽しめて、そしてなぜかホッとする映画でした。こういう映画もまたいいもんです。原作者の伊坂幸太郎もファンタジーの達人ですね。日本のマスコミを皮肉っている描写も絶妙で、スカッとさせられます。青柳の父親を演じた伊東四朗がおいしい役どころだったな。

 この日、岡谷スカラ座のレイトショーで、リニューアル後、初の映画を観ることができました。

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貧困大国アメリカⅡ / 堤 未果

Photo_3  リーマンショック以来、アメリカの凋落ぶりに関する話題には事欠かないようです。でも、今のアメリカは20年後の日本だと考え、戒めとするほうが賢明だとボクは思うのです。日米安保体制のもと、戦後日本はかなりの程度アメリカナイズされてきましたから。

 たまたまなのですが、2年半ほど前に発表された『最高学府はバカだらけ』を読んだばかりだったので、『貧困大国アメリカⅡ』を読みながら、日米それぞれの国の大学生がおかれた境遇に関心が向きました。

 アメリカの商業主義は、教育分野をも浸食しています。貧困家庭に生まれ育った学生がまともな職にありつくためには高学歴を修めるしかない。格差社会アメリカで生きるということは、とてつもないギャンブルのようです。

 アイビーリーグのような一部のトップクラスの大学を除き、アメリカの大学では大学間競争が激しさを増し、優秀な教授の獲得、施設・設備の充実などの面で莫大な経費がかかる構造になっていて、それは結局、学費の値上げとして学生に負担を強いることにつながるのです。

 こうして中流家庭の若者でさえも、大学に進学する際には学費の多くを奨学金に頼らざるを得なくなっている。ほとんどの場合は返済の義務があるものです。

 「サリーメイ」。どっかで聞いたことのある名前だなと思ったら、サブプライムローン問題で話題になっていた、米国連邦住宅抵当金庫、「ファニーメイ」に似ている。こちらは学資ローン債権を取り扱う学生マーケティング機構の名称らしい。

 このメイさんが曲者で、アメリカの大学生が食い物にされている。各大学への多額の寄付、校長・役員への接待などで大学側に巧妙に取り入ったサリーメイは、大学の窓口で、奨学金を借りようとする新入生に最優先で勧められていった。

 ところが近年、借入金の返済でトラブルに陥っている卒業生が増加しているようなのだ。名のある大学を卒業しても、この不況で職が見つからない。ファーストフードでアルバイトしながら奨学金の返済に追われる若者にサリーメイは容赦なく返済を迫る。

 月々の返済が一度でも滞れば、利子が膨れ上がり、九カ月以上返済がないと、債権を別の回収機構に不良債権として売り渡す。そうなるともう日本のサラ金と一緒で、家や職場に督促の電話がひんぱんにかかるようになり、取り立て業者による嫌がらせが続く。生活は破たんし、将来は絶望的となる。アメリカにはこのような若者を救済する法律がないのだ。

 アメリカ社会では、安定した職を求め、ローンを組んで進学する学生は全米の大学生の2/3にものぼるという。だから学資ローンと住宅ローンはおいしいマーケットなのだ。2005年、サリーメイのCEOは業績拡大に成功した結果、4億5000万ドル(約400億円)もの報酬をもらったそうだ。

Photo_2 いつの世も弱者は食い物にされる。日本では経営破たん寸前の私大がなりふり構わぬ入試によって世間知らず、学力不足の学生を獲得しようと懸命です。大人社会の事情により、日本の若者はバカでも大学に入れる時代になりました。

 いま、こうして記事を書いている間にもバカ大学生が量産されるような入試が各地で行われているかと思うとゾッとします。日本の受験生の皆さん、もっと賢明になってください。漢字の読み書きもままならない、四則演算もまともにできない若者を受け入れてくれる大学に、大学の価値はありません。あなたは単なる金ヅルです。

 世間知らずの若者や社会的弱者を食い物にする商売は許せません。でも、現実社会ではそんな商売がはびこってます。もういちど言います。アメリカの今は、20年後の日本です。

 関連記事:日の出工房(2008.7.15)

 本日のBGM:ERIC LEGNINI TRIO / MISS SOUL

 

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チャイナタウンからオーチャードへ

Photo  信州が冬の時期にシンガポールに出かけることのメリット。それは何と言っても暖かい気候を満喫できるところにあります。寒さに震えながら暮らす冬の信州から熱帯に逃避したのですから、冬の信州では絶対にできないことをやりたいものです。(写真はクリックすると拡大します)

Photo_2  。。。ということで、ボクらは現地滞在中プールでうだうだする時間を何回か設けることにしています。プールサイドには朝から生暖かい風が吹いています。日差しがかなり強いので、日陰にある寝椅子の上でボーっとしたり、本を読んだり、それに飽きたら少しプールで泳いだりするんです。 

Photo_3 コンラッドのプールは4階にあります。だからプールそのものも快適ですが、ここから眺める周囲の風景もなかなかのものです。南国のシティホテルならではの楽しみと言えるでしょう。遠くに現代的な高層ビルが林立するシェントン・ウェイ付近の風景が臨めます。反対側にはシンガポール・フライヤー(大観覧車)もバッチリ見えます。

  ホテルの朝食をとり、午前中ここで寛いだボクらは、遅めの昼食をとるために部屋に戻ってシャワーを浴び、チャイナタウンに出かけることにしました。ついでに現地で軽快に歩き回れそうなサンダルも見繕うことに。

Photo_4 シンガポール各方面にMRT(地下鉄)で出かける際、ボクらは起点となるシティホール駅から南にあるチャイナタウンへは東西線(East West Line)でアウトラムパーク駅まで行き、そこから徒歩で向かうことがよくあります。別にシティホール駅から南北線(North South Line)でドービーゴート駅まで行き、そこで北東線(North East Line)に乗り換えてチャイナタウン駅で降りるという手段もあります。

 例えば行き先が新規オープンしたチャイナタウン・コンプレックスだったら、後者の経路で出かけたほうが近いです。でも、このときボクらはマックスウェル・フードセンターに行きたかったので、前者の経路を使いました。いずれにせよ、2~3駅を乗り継ぐ区間の運賃が70円しないのですから、シンガポールの公共交通機関はとても便利です。

Photo_5   さて、マックスウェル・フードセンターはレベルの高い有名店が軒を連ね、しかも各店が庶民価格で料理を提供してくれるとても有難いフードセンターで、ボクらはとても重宝しています。なかでもイチオシは「天天」のチキンライス。ここのはいまだにボクらのなかでシンガポールNo.1のチキンライスなのです。柔らかくツルツルのチキンと、チキンスープの風味がしっかりしみ込んだライスの組み合わせは滞在中必食の料理なんです。

 日本人観光客の間でも知名度が高く、訪れるたびに値上がりしているのが少し不満ですが、それでも一人5ドル(約350円)で至福のひとときを過ごせるのですから文句はありません。これにタイガービールがあればもう言うことなしです。

Photo_6   この日は部屋飲みのツマミにと、シンガポールではポピュラーな「ンゴヒャン」という練りものや腸詰を何種類か切りそろえてくれたものを買って帰りました。これがまたビールのお供に最高なんです。写真のコップのなかには2種類のタレが入っています。このタレをつけていただくわけです。

Photo_9  お腹が満足したので、歩いてチャイナタウン・コンプレックスに向かうことにしました。2年前は改装中で、臨時店舗がアウトラムパーク駅近くにできていたのですが、今回は元の場所で営業していました。相変わらず怪しい雑貨屋や衣料店が立ち並ぶ、ローカル色を存分に体験できる場所のままだったのでホッとしました。建物の地下はウェット・マーケットになっていて、魚や貝を買えたりします。地上階にはホーカー(屋台)のストールが立ち並ぶフロアもあって、例えばボクらの好きなクレイポット・ライスの名店などがここで営業しています。

 シンガポールの街は、建物の増改築がひんぱんに行われているのですが、特にチャイナタウンのここ数年の変貌ぶりには目を見張るものがあります。でもあまり小奇麗にされてしまうと風情も何もあったもんじゃなくなるので、少しは猥雑な雰囲気も残してほしいななんて、個人的には勝手な希望をもっているところです。

 チャイナタウン・コンプレックスのすぐ近くにあるCKデパートは、デパートというよりはディスカウントストア的な風情の店ですが、ここなら安くて丈夫なサンダルが見つかりそうだったので、のぞいてみることにしました。とにかく衣料品は安いので、ボクらもちょくちょくここで買い物をするんです。

  気に入ったサンダルは見つかったのですが、残念ながらサイズが在庫切れのようなので、あきらめてオーチャード・ロードで探すことにしました。妻も化粧品を見たいということで、ボクらは近くにあるMRTチャイナタウン駅からオーチャードに向かうことにしました。

Photo_8 きっと今頃のオーチャード・ロードはクリスマス・イルミネーションで通り全体が華やかに飾られていることでしょう。行ってみるとやはり通りは多くの人出で賑わっていました。

 本日のBGM:BIRTH OF THE COOL / MILES DAVIS

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ローカル色満載のゴールデン・マイル

 いつものシンガポール航空(SQ)でチャンギ空港に降り立ったボクらは、前回訪星時に利用したコンラッド・センテニアル・シンガポールというホテルにまずチェックインしました。その時、現地時刻は午後6時近く。前回よりもSQのフライトが1時間遅くなっていたようです。

 これが冬の信州だったら、真っ暗で寒く、気が滅入ってしまう時間帯なのですが、そこはシンガポール。午後6時なんてまだまだ明るいし、外は夕暮れ時でもじっとり汗ばむ気候です。では、さっそくお気に入りのゴールデンマイル・フードセンターに出かけるとしますか。

 ホテルから最寄りのMRT駅、シティホールまではシティリンク・モールという地下街を通って行けます。シンガポールは晴れていてもスコールというにわか雨が突然降るので、拠点から最寄り駅までの地下通路をチェックしておくことはとても大切です。

Photo_5Photo_6 今回はこの地下街にあったMPHという書店でお目当ての『マカンスートラ』とマイティー・マインド社の「PUBLIC TRANSPORT MAP」の最新版を見つけることができました。前者はいわゆるレストラン・ガイドで、後者は路線バスをはじめとする公共交通機関の乗り継ぎを調べるための地図です。

 ボクらにとって現地での必須アイテムとも言えるこの2冊を早々に入手できて、わざわざオーチャード・ロードにある紀伊國屋書店まで出かけなくて済んだのは大助かりでした。これは幸先がいいかも。

 ところが、シティホール駅で地下鉄に乗ろうとした際に、ちょっとしたトラブルが発生。前回の旅行で使って、そのまま持っていたEZリンク・カード(日本でいう「スイカ」「フェリカ」のようなプリペイド式ICカード)で改札を抜けようとしたところ、何やら「これは使用できません」といった表示が出てくる。何度やっても同じなので、オフィスで聞いてみたところ、ボクらが持っているカードは2009年10月に使用中止になったのだとか。

 うーむ、こりゃ困った。ボクの稚拙な英語力で旧カードの残金の払い戻しをしてもらい、さらに新しいカードを再発行してもらいたいなんて複雑な要件をちゃんと伝えられるだろうか。

 あせりながらもチケット・オフィスの担当者とたどたどしい英語でやりとりをし、なんとかこちらの要望を理解してもらえた時にはホッとしました。でも、新しいカードで改札を抜けるとどっと疲れが。こんなふうに、シンガポールでの生活はいまだにサバイバルなんです。

PhotoPhoto_2  思わぬところで時間を費やしてしまったので、MRTブギス(武吉士)駅で地下鉄を降り、そこから南のビーチ・ロードまで出てからさらに東へ800mほど歩いているうちに、あたりは闇に包まれてきました。(写真はクリックすると拡大します)

 闇に浮かびあがるゴールデンマイル・フードセンター。シンガポールにはこのようにストールがたくさん並んでいるフードセンターがいたるところにあります。まさに庶民の台所なのです。ボクらのこの晩のお目当てはフライド・ホッケンミー。「海南福建炒蝦麺(Fried Hokkien Prawn Mee)」というお店でいただきます。

Photo_3  要するに「塩焼きそば」の類なのですが、エビなどのダシが効いたやさしい味が病みつきになります。日本と違うのはチリペーストを混ぜたり、ライムを絞ってふりかけたりして食べるところです。だからこれは日本では食べられません。これとタイガービールがまたあうんだなぁ。一皿4ドルで至福の夕飯です。当時のレートは1シンガポール・ドルが約67円程度でした。

 ここでもう一品、初めて挑戦したメニューがこれまた不思議な食べ物でした。周囲の人たちがやたらこれをパクついている様子を見て、ボクらも興味を持ち、「トゥラン」なるものを食してみることに。

 赤いシチューのような液体のなかに獣の骨付き肉が漬けてあります。見た目はかなりグロテスク。とりあえず骨付き肉にしゃぶりついてから、「これはいったい何の肉だろう?」と考えてみたのですが、どうにもわかりません。とりあえず6・7本はあった骨付き肉を食べ終え、シチューのような液体にパンを浸して食べ終えました。

 あとで「地球の歩き方」を見て、この料理が羊の骨髄をシチューにしたインド系屋台料理「スープ・トゥラン」であることを知りました。うーん、シンガポール初日からかなりインパクトのある料理をいただいてしまいました。(笑)

 なんでもここのはシンガポールでも有名なのだそうです。実物の写真を撮り忘れたのは残念でした。でも、ゴールデンマイルでまた一軒、新規開拓できたのは収穫でした。ここは本当にローカル度満点でボクは大好きです。

Photo_4 すっかり暗くなった夜の街に、国立図書館の建物がライトに照らされ浮かび上がっていました。あまりに美しい光景だったので、写真に撮ってみました。今回は三脚を持参したので、夜でもブレずに撮影できたのは嬉しかったなぁ。

 関連記事:日の出工房(2008.2.3)

 

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クリスマスツリーの競演 in Singapore

 明けましておめでとうございます。みなさんお正月はゆっくり過ごせましたか。

 ずいぶんしばらく振りの更新になってしまいましたが、ボクら夫 婦は、年末に通算9度目の渡星をしてきました。チャンギ空港に降り立つと、思わず「帰ってきたぞ~」と叫びたくなる衝動に駆られたのですが、ボクらにとってシンガポール旅行はもはや、年に1・2回ほど東京に遊びに出かけるのに近い感覚があります。

 ところで、例年クリスマスから1月下旬(年によっては2月上旬のことも)の中国正月にかけて、シンガポールでは街のいたるところにクリスマスツリーやオーナメントがそのまま残されています。今回も街歩きの最中、なかなかに個性的なツリーにたくさんお目にかかりました。

 年明け1発目は様々なツリーの写真で賑やかに当ブログを飾りたいと思います。

PhotoPhoto_2 まずは今回ボクらが宿泊したコンラッド・センテニアル・シンガポールのツリーを2つ。正統派のものと、ホテルのマスコット、コンラッドベアーくんを積み上げた変わり種のツリーです。(写真はクリックすると拡大します)  

Photo_4Photo_3Photo_5 左の2つはサンテックシティ周辺のツリー、右のはホテルから最寄駅までの道中にあたるシティリンクモールにあったツリーです。シンガポールでは大きなショッピングセンターに「シティ」をつけて呼ぶんです。

Photo_7Photo_6Photo_8 お次はシンガポールいちの目抜き通り、オーチャード・ロードにできていたイオン・オーチャード前のツリー。今回見た中ではこれが一番凄かったな。ツリーの中に入って天井部を写したのが一番右のです。

Photo_12Photo_10Photo_11  クリスマスツリーと言えば、毎年話題になるニーアンシティのが一番左。今年も気合が入ってました。やはりここのは美しいです。近くにはチョコレートの粒をかたどったものを積み上げたツリーがありました。フェレロ・ロシェのものです。右のはニーアンシティと同じくオーチャード・ロード沿いにあるショッピングセンター、パラゴンのツリーです。

Photo_14Photo_15 最後のふたつは、左がセントーサ島入口にあるVIVO(ヴィーヴォ)シティの巨大ツリー。夜に見られたらきっと綺麗でしょうね。右はラッフルズシティのツリー。こちらは何だか可愛い感じ。

 ここに紹介できたのはほんの一部。まだまだたくさんのツリーが街中に溢れているのが、この時期のシンガポールなんです。正月が終わってもおめでたい気分はしばらく続きます。

 滞在中とっても気になっていたのは、男友達どうしでツリーの前で写真を撮り合う男子をやたら見かけたことです。女子どうしとか家族やカップルでとかならわかるんですがね。男どうしでというのは日本では見かけないシチュエーションですよね。このあたりはそれぞれお国事情が違って面白いです。

 関連記事:日の出工房(2008.1.12)

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終着駅にて(WaterLoo)

00  長い旅路の果てに帰る場所があるというのは幸せなことだ。いや、片道切符にはやがてたどり着くはずの終着駅の名が記されているはずであり、旅人とは終着駅に向かっている人のことを言うのだ。

 終着駅のない人を「旅人」と呼んではいけない。彼らはたださすらっているだけなのだから。「さすらい人」には帰るべき場所がない。よって終わりなき旅をただ続けるだけである。

 ボクら夫婦は、時折、巡礼の旅をするために松本へやって来る。それを「旅」と呼ぶ以上、終着駅は決まっている。辰巳の庭の傍らにたたずむバー、WaterLoo(ウォータールー)がそれだ。酒場巡りの果てに、ここにたどり着けなければ旅は完結しないことになっている。少なくともボクのなかでは。

  12(土)の晩は、危うく「さすらい人」になってしまうところだった。頃合いを見計らって出向いた店内は、大勢の客でごった返していたのだ。いったんはあきらめかけたのだが、マスターのHOSHIさんのご厚意により、席が空いたら連絡をもらえることになった。

 連絡をいただいて再度店に向かうと、ちょうどいいタイミングで窓際の席が空いた。いつものお気に入りの席だ。いつもの店のいつもの席で、いつもの酒をいただく。人生における数少ない幸せの瞬間であろう。幸せの青い鳥はこんなふうに「あたりまえ」の空間に舞い降りるのかもしれない。だとすれば、何の変哲もない日常をこそボクらは愛すべきなのだ。

 まぎれもなくHOSHIさんが創りあげたいつもと同じこの空間で、ずいぶんご無沙汰していた馴染みの顔と出会うことができたのもまた嬉しかった。ボクらは永遠を求めるけれど、それが叶わぬことを知っている。だからこそ、いつまでも変わらずにいるためにたゆまぬ努力を続けている人に敬意を払い、頼りにする。

 ボクらが終着駅としてこの店を選んだのには、たぶんそんなわけがある。新しいものと古いものが行き交うこの駅で、馴染みの飲み仲間や新たに出会った新婚のご夫婦と歓談する機会を得た。でもそれは偶然ではなかったのだ。。。と思う。店内はゆったりと時間が流れていた。語らずともよし、でも語ればなおよし。

 HOSHIさんはまた、ボクらに新たな出会いをセッティングしてくれた。ボクらは年末にシンガポールに旅する予定だ。これまで何度も出かけているが、残念ながら現地に知人がいない。今度の旅では、日本人のバーテンダーさんを訪ねることになった。HOSHIさんにいい土産話ができるといいのだが。

  「知らない街に出かけるのなら、まずその街のバーを訪ねよ。」旅人の常とう句として語られてきたセリフのようだが、こういった知恵が生きているからこそ、旅人は旅人であり続けることができるのだろう。さもなくばさすらい続けるしかないのだから。終着駅のない旅はやはり不幸だ。

 。。。いつもの店のいつものカウンターで、見慣れた顔に安心しながら、ボクはそんな事を考えていた。ボクらは間もなく終着駅のある旅に旅立つ。「あたりまえ」ということの有難さを噛みしめながら。この日の晩、店で出会ったA夫妻の旅もそうあってほしいと思う。新婚旅行なら当然のことだろうけど。

  ボクらが帰国するのは31日です。なのでおそらくこの記事が年内最後になりそうです。ここを訪ねてくれる皆さま、どうかよいクリスマス&年末をお過ごしください。来るべき2010年が皆さまにとって幸多からんことを祈っています。

 関連記事:92の扉(2009.12.12)

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書を捨てよ、松本の街に出よう!

 ここんところ当ブログの記事は書評か競馬予想ばかりでした。もちろん他にも書きたい記事はいろいろあるんです。そろそろ本ばっかり読んでないで、街にくり出すことにしましょうか。

Photo_3  12・13日は久しぶりに土・日とも休日にできそうだったので、松本でゆっくりしましょうということになりました。土曜日は昼から街にくり出そう、と。しかし、渋滞に巻き込まれ、到着予定時刻から大幅に遅れて「蕎麦倶楽部 佐々木」にたどり着いたのは、昼の営業もそろそろ終わろうかという頃でした。

  「どうぞ、どうぞ」の声に甘えて奥のテーブル席に腰を下ろし一息つくと、やはり昼から来られたのだから、まずは日本酒をいただくことにしました。これはまさしく休日の醍醐味です。妻も珍しく1杯注文し、もちろんボクも別の日本酒を1杯注文すると、店のご主人・奥さんと日本酒談議や音楽談義に花を咲かせる成り行きに。

 昼の営業時間が終わり、店内の客がボクらだけになっても、いつにも増して話がはずみ、気がつくと思いのほか長居していました。ボクらは慌ててざるそばをいただき、あがることにしたのですが、ご好意にすっかり甘えてしまい、佐々木さんには申し訳なかったです。

 こうして旨いお酒と酒肴ですぐにほろ酔い気分になったせいで、昼からオーバーペース気味に飲み食いしてしまったのです。なかでもふるまっていただいた「笹の誉」が思いのほかまろやかで美味しく感じられ、とても印象に残りました。佐々木のご主人はいろんなこだわりをお持ちなのだなぁと感心しながら楽しいひとときを過ごさせていただきました。

 で、その足で次に向かったのが駅前の中島酒店。取り置きしてもらっていた城戸ワインを引き取りにうかがったのです。ここでも中島の奥さんと店内でしばらく立ち話しをしてしまいました。昼間から酔っぱらいのボクらに付き合ってくれた奥さんにも感謝しなければなりません。楽しいお話を聞かせていただいたことはもちろん、今や入手困難になりつつある城戸のオータムカラーズの供給源としても、中島酒店はボクらにはとても貴重な存在なんです。

Photo  ワインが詰まった箱を抱えてマイカーまで運び、ようやく常宿にチェックインすると、さすがに少し部屋で寛ぎたくなりました。この日の晩は、隠れ家のような蔵造りのお店に予約を入れてあったので、体調を万全に整えて美味しい料理とお酒に酔わせてもらうことにしましょう。ベッドの上でうとうとしているうちに、いい具合に日が暮れてきました。

  松本パルコのクリスマスツリーに心躍らされながら、目的の店を訪ねました。ここはマスコミ取材お断り、口コミの客だけ予約を受けるのだそうです。なので店側の意向を汲んで、ココで詳細を紹介することはひかえまPhoto_2 す。ちょっとピンボケですが左の写真がヒントです。カウンターとその周辺の和風のしつらえがとてもシックで落ち着くんですよね。今回は女将さんとお姉さんが話し相手になってくれて、ここでも楽しい時間を過ごさせていただきました。

 メインでいただいたきのこ汁がとても美味しかった。五臓六腑に染みわたる味でしたが、これですっかりお腹一杯になってしまいました。最後に女将さんが食事を出してくれると言ってくれたのですが、お断りするしかなかったのは残念でした。それでもこのあとしばらくはお腹が苦しくて苦しくて、体を動かすのに難儀しました。

  こうして行く先々で歓待を受けたボクらは、なお一層、松本の街が好きになりました。本当に有難いことです。こうしてこの一年も、この街の酒場に癒されながら無事にやって来られたことを幸せに思います。

 長くなってしまったので、このあと出かけたバーの話は次回にしますね。

 本日のBGM:CHRIS CONNOR / CHRIS

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第61回朝日杯フューチュリティSレース展望

 全体的に実績がある馬が外枠に入った。中山1600mはスタートしてすぐにコーナーに入るトリッキーなコースだ。このため位置どりが難しい。好位につけられるダッシュ力があれば、内枠の馬は断然有利だ。

  ボクは当初、前走の東京スポーツ杯2歳Sでローズキングダムに惜敗した15トーセンファントムで勝負しようと思っていたのだけれど、やはり今回はちょっと苦しいかなと思いなおした。ファントムは直線の長い東京向きだろう。

 現時点で将来のクラシック有力候補8ローズキングダムは今回も1番人気のようだ。これまで1800mのレースを2度こなし、これからもクラシックディスタンスの2000m前後の路線を歩んでゆくのだろう。ここは通過点に過ぎないのだから、過信は禁物だ。

 朝日杯と皐月賞は直結しない。ここ5年間の結果をみただけでも、朝日杯と皐月賞の両方を勝った馬は皆無だ。昨年の朝日杯勝ち馬、セイウンワンダーの皐月賞3着が最高。それに07年の皐月賞馬キャプテントゥーレは朝日杯ではゴスホークケンの3着だった。明らかに皐月賞狙いのローズキングダムがここを取りこぼすことは十分あり得るとボクは思っている。陣営にしてみればそこそこ賞金を加算できればいいのではないか。

 では、有利な内枠で将来マイル路線に進みそうなスピード馬はどれか。4ヒットジャポット、5ダッシャーゴーゴー、6キングレオポルドあたりが面白そうだ。この中からボクは前走ベゴニア賞レコード勝ちの6キングレオポルドを狙うことにした。上がり33秒8も好印象だ。

 前走は東京コースでの勝利だっただけに、小回りの中山で上手く立ちまわれるか気になったが、どうやらそれも杞憂に終わりそうだ。同馬は中山での新馬戦でも1600mのレースに出走して勝利している。ここまでの3戦はすべてマイル戦だ。先行力もあるしスピードは申し分ない。

 鞍上は柴田善Jに乗り替わり。GⅠに実績のない同ジョッキーだが、朝日杯はそれほど格の高いGⅠではないから、重圧に負けることもないだろう。何といっても大ベテランで中山コースは熟知しているから任せていい。このコースはどうしても前半のペースが速くなるから、馬群の中団にとりついたら、なだめて脚をためるのがいいだろう。

  ということで、ボクは6キングレオポルドの単複で勝負します。

 阪神JFの結果は、ベストクルーズが3着に来たので、複勝で資金回収できました。このレースの模様を観て、ベストクルーズは桜花賞でも優勝を狙えると確信した。

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ファイナンシャル・インデペンデンス

 社会人になりたての頃、あるいはすでにそれ以前から漠然と思っていたことかもしれない。それは「自分らしく生きたい」、「人並みの幸せをつかみたい」ということ。まったくもって屈託のない、能天気な願望だった。あの頃の自分はなんてケツの青い若造だったんだろう。きっとテレビに洗脳されてたに違いない。一億人を総白痴化させてしまうという例のアレのせいだ。

 社会人となったボクは、それなりに世間の荒波にもまれ、思い描いていた「自由」を手にするためには、それなりのテクニックを身につける必要があることを悟った。普通にその辺に転がってると思っていた「自由」は、実のところ張り子の虎のようなものに過ぎないということに気づいてしまったのだ。

 若者はとかくこの「自由」というヤツに騙されやすい。学校の授業サボって外でタバコふかしてりゃあ自由になれるなんて簡単なもんじゃあない。社会人ン年目のボクは遅まきながらそのことに気づいて愕然とした。己の力のなさが不甲斐なかった。

 あるとき、ボクの職場に転勤してきたばかりの男が、その2カ月後脳梗塞で死んだ。真面目で優しい男だったが、しばらく欠勤が続いたあと、上司からそいつが亡くなったと告げられた。早朝から夜遅くまでよく働いていたけれど、いつも真っ白な生気のない顔をしていた。きっとあいつは以前の職場に殺されたのだろう。過労死というやつだ。

 「もっともらしいことを言う人をたやすく信じちゃいけない」って誰かが言ってたけど、世の中はほんとうに欺瞞(ぎまん)に満ちあふれている。当たり前だと思っていたことを、いちど疑ってみる。すると、羊の皮をかぶった狼があちこちに潜んでいることがよくわかる。どんなに大変な仕事であっても、人の命まで奪っていいということはない。一生懸命頑張ればいつか報われるなんてのは、他人を不当にこき使おうする奴らの方便だ。

 こんな世の中でサバイバルしてゆくにはどんな知恵をつけたらよいのだろう。自分に降りかかってくる困難や不条理とまともにぶつかってばかりでは、尾崎 豊のように傷つき疲れ果て、やがて朽ちてゆくだけだろう。そんな青臭いやり方ではダメだ。会社にボロ雑巾になるまで酷使され、逃げ出すこともできず、挙句の果てはポイ捨てなんて運命は何としても避けなければならない。

 真剣に考えて得たボクの結論、それは、まずファイナンシャル・インデペンデンス(経済的独立)を達成するというものだった。理不尽な上司からの命令は無視し、筋の通らない仕事は断固として拒否する。自分の信念を曲げずに、愛する家族を守り抜く。そして何よりも自分の命は自分で守る。そうやって生き抜くための賢明な方策がこれだ。

Photo  そんな想いを胸に秘めてから10年の年月が過ぎた。この世の中でサバイバルしてゆくためのテクニック。そんなものの片鱗を、かつてボクはここから学んだのだった。そう懐かしく思い返しながらこれらの本を再読してみた。(画像はクリックすると拡大します)

 ファイナンシャル・インデペンデンスを達成するために即効薬はない。逆説的ではあるが、やはり一番の近道は今やっている仕事で最大の収益を得ること。できるだけ早く将来の生活資金をたくさん蓄えること。いつクビになっても困らないように。加えて長期的なスタンスで投資戦略をもつこと。ただし、いつまでも会社や国に依存し続けていてはダメだ。給料も年金もあてにしないという生き方は、とても厳しい生き方なのだ。人並みに・・・なんて願うレベルの話ではない。

Photo_2  物欲を満足させるために金持ちになりたいんじゃない。自分の身を自分で守るため、そして、ささやかではあっても自分の未来を自力で切り拓く自由を手にするために、ボクはファイナンシャル・インデペンデンスをずっと追求してきた。残念ながらまだ道半ばではある、でも着実に木村 剛(きむら たけし)氏が示すステップをクリアしてきている。いつかきっとゴールにたどり着けると信じている。「スタート」という名のゴールに。。。

 それにしても今の世の中、不条理なことが多過ぎる。

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間違いだらけの経済政策 / 榊原英資

Photo  政策金利である無担保コールレート(オーバーナイト物)の誘導目標金利は0.1%のまま。日本は昨年9月のリーマン・ショック以後、超低金利が続いている。そして不思議なことに金融緩和のなか、対ドルで円高が進行している。 

 日本の金融当局が極度にデフレを警戒して金融を緩和しているのは、マクロ経済理論に立脚して金融政策をおこなっているからなのだという。通貨供給量(M)を増加させれば、物価を安定させることができ、さらに総需要を喚起しながら安定成長につなげることができるというわけだ。もちろんこれは教科書的な意味で妥当な政策だといえる。

 しかし、通貨供給量の増加は貨幣価値の下落につながるから、中長期的には超低金利とも相まって円は次第に安くなるはずだ。これまた教科書的な意味においては順当な帰結だ。だから藤井財務相が周囲に押されてドル買い介入を匂わせたこともあったが、政府・日銀は今のところ介入不要とみているのではないか。

 であるならば、そろそろ円高は是正されそうなものだが、「円高は日本の国益」と唱える榊原 英資(さかきばら えいすけ)氏(Wikipedia)は最近の傾向をどう見ているのだろう。貿易収支など、実体経済が為替レートに及ぼす影響力は今や数%程度に過ぎない。グローバリゼーションの進展によって国境を越えた金融取引は膨大な金額となり、もはや単独で自国の経済をコントロールできる国家は地球上に存在しない。

 今後円高が是正されるか、はたまた1ドル85円を突破してさらなる円高に振れるかは「思惑」しだいだ。だからアメリカがドル安を容認している限り、円高基調はしばらく続くのだろう。日本がアメリカの思惑を無視して一方的にドル買い(円安誘導)介入をしても効果は知れている。

 一方、2000年代に入って中国を中心とした東アジアの生産ネットワークの形成は急拡大している。日本はその中で素材・半製品の輸出において圧倒的地位を占める。昨年(2008年)前半までの日本の景気拡大は、東アジア諸国、特に中国への鉄鋼・自動車部品などの輸出増大が推進力となっていたようだ。

 80年代、アメリカ依存の経済構造のなかで今日の繁栄を築きあげた日本だが、それは同時に貿易摩擦という政治問題を引き起こした。あれから20年が過ぎ、日本の経済構造は対外的に大きく変化した。対ドルで円高・円安を語る意味はかつてほど重要ではないとみることもできる。

 むしろこれからは資源高にどう対処するべきかという視点がより重要度を増すだろう。強い円が国益につながるのはこの点においてである。少資源国日本が生き残るためには昨今の円高はむしろ好ましい傾向だともいえる。特に世界中の資源をめぐる日中間の争奪戦が今後より熾烈になるであろうことは想像に難くない。注視すべきは、元の切り上げのタイミングと、その後の対元での実質実効為替レートの成り行きなのだ。

 日銀は今度こそゼロ金利政策解除のタイミングを見誤ってはいけない。環太平洋における経済構造の大変革が起きている今、金融政策の失敗は日本にとって致命的だ。これまでのようなアメリカ盲従ではなく、中国とアメリカ両睨みの姿勢で適切な金融政策を果敢に実行していかなければ、日本丸はそのまま資源獲得競争に敗れて沈没し、東シナ海の海の藻屑となるだろう。

 われわれ国民にも、これまでの常識にとらわれず、世界経済の潮流の潮目を見極めながら、みずからの生活防衛に役立てるという気構えが必要です。マクロモデルという金科玉条を妄信してはいけません。今、必要なのは生の経済を感じようとすること。つまり、現場をじっくり観察するミクロ的視点なのです。

 あとはマスコミの論調を鵜呑みにしないこと。最後は自分の頭で考えることが大切です。

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第61回阪神ジュベナイルフィリーズレース展望

 JCDはボクの狙いどおり、エスポワールシチーが危なげない勝ち方で魅せてくれました。今週と来週は2歳馬によるGⅠレースが続きます。まずは2歳牝馬女王決定戦、阪神JFです。

 阪神芝外回り1600mのコースは、外目からの追い込みが利く。だから昨年のブエナビスタのような直線一気の豪脚を発揮できるかどうかが勝負のカギを握りそうです。

 前走ファンタジーSの時から目をつけている馬が出走します。15ベストクルーズです。今回、ボクは迷わずこの馬の単・複で勝負します。ファンタジーSでは僚馬のタガノエリザベートがまさに直線一気で先行するベストクルーズを抜き去って勝ちましたが、どんな展開になってもいけるのはむしろベストクルーズのほうではないでしょうか。

 外枠にはシンメイフジもいます。末脚勝負なら負けていないアパパネも大外枠にいます。このあたりがどこで仕掛けるか。さらにベストクルーズが新馬戦で負けているラナンキュラスとの勝負の行方は。見どころは満載です。

 上位人気組が順当に力を発揮できそうな枠順ですが、なかでもすでに阪神の1800mを経験しているベストクルーズをボクは有力視しています。初勝利まで3戦を要したけれど、ずっとアンカツが乗り続けている馬ですし、ファンタジーSでも力のあるところは見せてくれました。この馬の実力を見極めるには、今回のレースはちょうどいいコース、ちょうどいい相手関係なのではと思っています。

 何とかここを勝って、牝馬クラシック戦線の最右翼に躍り出てもらいたいものです。

 

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保有している株の爆上げにドキドキ

 ここひと月ほど、落ち着かない日々が続いています。数年前に買ったまま塩漬け状態になっていた保有株の株価が急騰してるんです。

 以前ココ(日の出工房:2008.9.8)に書いた銘柄は、わずかですがボクがもう7年余りも保有し続けているものです。世界に通用する優れた技術をたくさん持っているんだけど、経営陣がそれを生かしきれずに売上は伸びず、利益も出せずで、ここ数年は赤字続きの会社でした。

 今年夏には社長も交代し、新たなビジネス展開を中国に求めていることは知っていたのですが、つい最近になって中国の優良企業を子会社化するという材料を発表したのです。

 それからというもの、この会社の株価はたびたびストップ高を記録しながら、時折調整を挟みつつ上昇し続けています。いったい天井はどこにあるのか、今のところ見当もつきません。

 週明けの月曜には四季報が出ますから、この材料に注目する投資家はこの先まだまだ増えることでしょう。株価は材料が発表される直前の数字から現在までにすでに5倍以上になってます。

 また、年内には中間決算予想の上方修正が発表されるでしょうから、赤字企業が一気に大幅黒字の企業に生まれ変わることが、遅かれ早かれ世間に認知されるでしょう。そうなれば年末から年明けしばらくにかけて物凄い大相場になります。ボクにとってこんな経験は初めてです。だから毎日ドキドキしてます。

 実は今年の夏、痺れを切らして全株処分しようと思ったこともあったんです。でも思い直してやめました。もしあのとき長年手がけていた株を手放していたら、今頃は猛烈に悔やんでいたことでしょう。

 それにしても、これで長期投資の有効性がハッキリしました。投資家に必要な心構えはやはり「忍耐」です。いったん仕込んだら、多少のことでは動じない意志の強さが必要です。それが無ければチャンスをみすみす逃してしまいますから。

 今回、ボクは紙一重でチャンスに乗っかることができました。あとは夢を見続けるだけです。今のところはようやく買値に戻っただけですが、まだまだ株価は上昇するでしょう。

 7年も待ち続けたのですから、一生に一度あるかないかの大相場を大いに楽しみたいと思います。ワクワクしますね。

 本日のBGM:YMO / TECHNODELIC

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